介護職の人事異動で起こりえるデメリット

日本では会社という組織をより良いものにするという目的で会社が人事異動を行うことも多くあります。介護職も同様に、スタッフの人数が多い事業所で定期的に実地されるケースは珍しくありません。この人事異動は、メリットだけでなくデメリットが生じることもあって、その一つが仕事における能率の低下です。異動によって新たに職場が変わった人は一から仕事を覚える作業が必要となります。学習能力には個人差があるので一概には言い切れませんが、一定期間その業務の質が低下してしまうのは避けられません。専門的な知識や技術が必要な職場の場合、人材育成にコストがかかってしまう点もデメリットになり得ます。

そのほかの問題点として挙げられるのが、従業員のストレスです。それまでと異なる職場への異動を言い渡された場合、仕事だけでなく人間関係も新たに築き上げていくことになります。介護業界は他業種に比べて人間関係で頭を悩ませることの多い職種で、これを理由に退職するケースも少なくありません。異動前の職場で仕事と人間関係の構築で苦労を経験した人にとって、同じことの繰り返しはストレスになってしまうこともあります。これは異動を言い渡された本人だけでなく、新たな職場で働いている人も同じです。業務の合間を縫っての教育や相手を知る作業によって仕事のリズムが崩れてしまうという弊害が生じかねません。会社が人事異動を行う場合には、こうした問題点を考慮した上で適材適所の配置を行うことが求められます。